その魅力を最大限に引き出すのが、陸上部分で生き生きと育つ植物たちです。しかし、パルダリウムは「非常に高い湿度」という特殊な環境。一般的な観葉植物を植えても、すぐに根腐れしたりカビが生えたりしてしまいます。
「初心者でも育てやすい植物は?」「コケやシダ、観葉植物をどう組み合わせればいい?」
この記事では、そんな悩みを解決するために、パルダリウムの陸上部分におすすめの植物を「コケ類」「シダ類」「観葉植物」の3カテゴリに分けて15種類厳選してご紹介します。それぞれの育成条件(光量・湿度要求度)も詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
🌿 パルダリウム植物選びの最重要ポイント
パルダリウムの陸上植物選びで失敗しないための鍵は、以下の3つの環境適性を理解することです。
陸上植物育成の3大要素
- ① 高湿度への耐性(最重要)
パルダリウム内は湿度80%を超えることも珍しくありません。この「蒸れ」に耐えられる植物を選ぶことが絶対条件です。
- ② 適度な光量
多くの場合、LEDライトで管理します。直射日光のような強い光は必要ありませんが、光を好む植物と日陰を好む植物をうまく配置分けする必要があります。
- ③ 適度な通気
空気がよどむとカビや根腐れの原因になります。フタに隙間を開けたり、小型ファンを設置するなどして、空気をわずかに動かすことが長期維持のコツです。
🏞️【コケ類】自然感を生み出す基本の5選
地面や流木を覆い、パルダリウムの「わびさび」や「自然感」を一気に高めてくれる主役です。乾燥に弱いため、霧吹きによる湿度維持が欠かせません。
1. ホソバオキナゴケ(山苔)

テラリウム・パルダリウムで最もポピュラーなコケ。「マンジュウゴケ」とも呼ばれ、こんもりとした美しい半球状に育ちます。レイアウトの土台として非常に優秀です。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:高(蒸れにはやや注意)
2. シノブゴケ

繊細でフサフサとした葉が特徴。流木や壁面に活着しやすく、這うように広がります。霧吹きをすると葉に水滴がつき、非常に美しい姿を見せてくれます。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:極高(乾燥に弱い)
3. ハイゴケ

地面を覆うマット状のコケとして非常に丈夫で育てやすい種類。成長も比較的早く、陸地の「緑の絨毯」を作るのに最適です。明るい緑色がレイアウトを華やかにします。
- 【育成条件】
- 光量:中
- 湿度:高
4. コウヤノマンネングサ

「万年草」の名前の通り、まるで小さなヤシの木のようなユニークな姿が特徴のコケです。レイアウトの中で高さを出すアクセントとして非常に人気があります。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:極高(特に空中湿度)
5. タマゴケ

丸い「さく(胞子嚢)」を付ける姿が可愛らしいコケ。鮮やかな緑色で、レイアウトのワンポイントになります。比較的明るい場所を好み、湿度を保つと美しい群生を作ります。
- 【育成条件】
- 光量:中
- 湿度:高
🌳【シダ類】ジャングル感を出す中景の5選
コケと観葉植物の中間的な役割を果たし、レイアウトに「深み」と「ジャングル感」を与えてくれます。高湿度を好む種類が多く、パルダリウム向きです。

1. プテリス(斑入りオオバノイノモトソウなど)
涼しげな葉の形が美しいシダ。特に「斑(ふ)」が入る品種は、暗くなりがちなパルダリウム内を明るく見せてくれます。丈夫で育てやすい入門種です。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中(レースカーテン越し程度)
- 湿度:高
2. トキワシノブ(ダバリア)

「ラビットフット」とも呼ばれ、フワフワした毛(根茎)が特徴的。この根茎が流木や石に活着していきます。葉は乾燥にやや弱いですが、根茎は非常に丈夫です。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:中~高(葉には霧吹き推奨)
3. アスプレニウム(アビスなど)

「タニワタリ」の仲間。光沢のある美しい葉を放射状に展開します。レイアウトの主役にもなれる存在感があります。根腐れに注意し、水はけの良い場所に植えましょう。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:高
4. アジアンタム(ホウライシダ)
![観葉植物「アジアンタム」の失敗しない育て方 | ELLE DECOR [エル・デコ]](https://hips.hearstapps.com/hmg-prod/images/macro-of-adiantum-philippense-or-maidenhair-fern-royalty-free-image-1692286493.jpg?crop=0.733xw:1.00xh;0.260xw,0&resize=640:*)
小さく繊細な葉が密生し、非常に優雅な雰囲気を持つシダ。パルダリウム環境は大好きですが、極端な乾燥(水切れ)に非常に弱いため、湿度と水分の管理が重要です。
- 【育成条件】
- 光量:弱
- 湿度:極高(葉水が必須)
5. ネフロレピス(タマシダ)

いわゆる「シダ」のイメージに最も近い、丈夫なシダ植物。非常に強健で、高湿度環境にもよく適応します。大きくなりすぎない小型の園芸品種を選ぶのがコツです。
- 【育成条件】
- 光量:中
- 湿度:中~高
🍃【観葉植物】彩りと個性を加える5選
レイアウトに「色」や「ユニークな葉の形」を加え、アクセントとなる植物たちです。一般的な観葉植物ではなく、高温多湿を好む小型の種類を選びます。
1. フィットニア(アミメグサ)

パルダリウムの陸上植物として定番中の定番。赤、ピンク、白など鮮やかな葉脈が美しく、レイアウトの差し色に最適です。乾燥に弱いため、パルダリウムの環境はまさに理想郷です。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:極高
2. ジュエルオーキッド(宝石ラン)

葉脈がビロードのようにキラキラと輝く、まさに「宝石」のようなラン。高価ですが、その美しさは格別です。強い光を嫌い、高い湿度を好むため、パルダリウムの主役として人気があります。
- 【育成条件】
- 光量:弱(光が強いと葉焼けする)
- 湿度:高
3. ペリオニア(プストゥラータなど)

這うように広がるツル性の植物。ゴツゴツとした爬虫類の皮膚のような葉模様がユニークで、流木や壁面を伝わせると非常に格好良いです。高湿度を好みます。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:高
4. ベゴニア(原種・小型種)

観葉植物として一般的なベゴニアとは異なり、高温多湿のジャングルに自生する小型の原種ベゴニアは、パルダリウムの華です。葉の形や色が多種多様で、コレクターも多い世界です。
- 【育成条件】
- 光量:弱~中
- 湿度:極高(葉に水を当てすぎない工夫も必要)
5. ピレア(ムーンバレーなど)

葉の凹凸(おうとつ)が激しく、月面のクレーターのように見えることから「ムーンバレー」などの愛称があります。高湿度を好み、丈夫で育てやすいため、入門種としてもおすすめです。
- 【育成条件】
- 光量:中
- 湿度:高
⚠️ 陸上植物の管理と注意点(カビ・乾燥対策)
パルダリウムで最も多い失敗が「カビ」と「乾燥」です。この2つは表裏一体です。
- 水槽のフタにわずかな隙間を開ける。
- PC用の小型ファンなどを設置し、空気を緩やかに循環させる。
- (生物兵器として)トビムシやワラジムシを入れると、カビや枯れ葉を食べてくれる。
- 1日に1~2回、霧吹き(ハンドスプレー)で葉水を与える。
- 自動で霧を噴射する「ミストシステム」を導入すると管理が非常に楽になる。
まとめ:植物の適性を知って理想のジャングルを
パルダリウムの陸上植物は、一般的な観葉植物とは異なり、「高湿度を好む」という共通点があります。
今回ご紹介した15種類の植物は、どれもパルダリウムの環境に適応しやすい人気の種類です。
- 土台となる「コケ類」
- ジャングル感を出す「シダ類」
- 彩りを加える「観葉植物」
これらをバランスよく配置し、適切な「湿度」「光」「通気」を管理することで、あなただけの美しいパルダリウムが完成します。ぜひ、お気に入りの植物を見つけて、理想の小さなジャングル作りに挑戦してみてください。

