【サンゴ入門】ソフトコーラルとハードコーラルの違いとは?LPS・SPSも解説!簡単な種類から始めよう

「海水魚水槽に、彩りを加えたい」
「水槽の中に、美しいサンゴ礁を作りたい」

熱帯魚とはまた違う魅力を持つ「サンゴ」。水槽内でゆらゆらと揺れる姿は、まさに”海の華”ですよね。

しかし、いざサンゴを飼育しようと思っても、「ソフトコーラル?」「LPS?SPS?」といった専門用語の多さに、何から手をつければいいか迷ってしまう初心者の方も多いはず。

ご安心ください!この記事では、サンゴの基本的な分類(ソフトコーラルとハードコーラル)の違いから、それぞれの飼育難易度、必要な設備(照明・水流)の違いまで、初心者がサンゴ飼育で失敗しないための知識を徹底的に解説します。

まずは簡単な種類から、憧れのリーフタンク(サンゴ水槽)への第一歩を踏み出しましょう!

🐠 そもそもサンゴってどんな生き物?

まず大前提として、サンゴは「植物」ではなく「動物」です。

イソギンチャクやクラゲに近い仲間で、「ポリプ」と呼ばれる小さな個体が集まって群体(コロニー)を形成しています。

多くのサンゴは、体内に「褐虫藻(かっちゅうそう)」という植物プランクトンを共生させており、その褐虫藻が光合成(日光)によって作り出す栄養をもらって生きています。

💡 サンゴ飼育のキホン

  • サンゴは「動物」である。
  • 栄養の多くを「光合成(褐虫藻)」に頼っている。
  • → だから、サンゴの飼育には「強力な照明」が必要不可欠なのです。

🌊 決定的な違い!「ソフトコーラル」と「ハードコーラル」

サンゴは、大きく分けて「ソフトコーラル」と「ハードコーラル」の2種類に分類されます。その名の通り、「硬い骨格(石灰質の骨)を作るかどうか」が最大の違いです。

① ソフトコーラル(好日性サンゴ)

硬い骨格を持たず、体は「骨片(こっぺん)」という小さな骨で支えられているか、それすらない種類もいます。体が柔らかいため、水流にのってゆらゆらと揺れるのが特徴です。

  • 特徴: 柔らかい、ゆらゆら揺れる、骨格を作らない。
  • 飼育難易度: ★☆☆☆☆ (易しい)
  • 代表種: スターポリプ、ウミキノコ、ディスクコーラル(マッシュルーム)

② ハードコーラル(石灰性サンゴ)

体内で石灰質の硬い骨格を作り、その上にポリプが乗っているサンゴです。自然界のサンゴ礁の「土台」を作っているのは、主にこのハードコーラルです。

そして、このハードコーラルは、ポリプの大きさによってさらに2種類に分けられます。

(A) LPS (Large Polyp Stony)

「ラージ・ポリプ・ストーニー」の略で、ポリプ(肉質の部分)が大きいハードコーラルを指します。骨格は見えず、イソギンチャクのように大きく膨らむ種類が多いのが特徴です。

  • 特徴: 硬い骨格を持つが、ポリプが大きく肉厚。
  • 飼育難易度: ★★★☆☆ (普通)
  • 代表種: ナガレハナサンゴ、オオバナサンゴ、ミズタマサンゴ

(B) SPS (Small Polyp Stony)

「スモール・ポリプ・ストーニー」の略で、ポリプが非常に小さいハードコーラルを指します。ポリプが小さいため、一見すると「色のついた石」のように見えますが、よく見ると表面が細かくざらついています。

  • 特徴: 硬い骨格を持ち、ポリプが極端に小さい。
  • 飼育難易度: ★★★★★ (非常に難しい)
  • 代表種: ミドリイシ、ショウガサンゴ、コモンサンゴ

📊【一覧表】SPS・LPS・ソフトコーラルの違いと必要な環境

初心者がサンゴ飼育に挑戦する際、最も重要なのが「種類に合った環境(照明・水流)を用意すること」です。特にハードコーラル(LPS、SPS)は、水質の維持(カルシウムなどの添加)も必要になります。

分類 通称 飼育難易度 必要な照明 必要な水流 水質(清浄度)
ソフトコーラル ウミキノコ
スターポリプ
ディスクコーラル
弱〜中 弱〜中 普通
ハードコーラル
(LPS)
ナガレハナサンゴ
オオバナサンゴ
キクメイシ
中 (やや弱め) やや清浄
ハードコーラル
(SPS)
ミドリイシ
ショウガサンゴ
コモンサンゴ
強 (ランダム) 非常に清浄

▲ソフトコーラルは、ポリプがふわりと揺れる程度の「優しい水流」を好みます。

▲SPSは、老廃物を飛ばし栄養を運ぶための「強く複雑な水流」が必須です。

🚨 初心者がSPSに手を出してはいけない理由

SPS(ミドリイシなど)は、最も美しい反面、最もデリケートなサンゴです。

  • 魚のフンなどから出る「栄養塩(硝酸塩・リン酸塩)」がごく微量でもあると、すぐに調子を崩し、色褪せや白化(死亡)します。
  • 非常に強力な専用照明(数万円〜)と、複雑な水流を作るためのポンプ(数台必要)が必須です。
  • カルシウムやマグネシウムなど、骨格の材料となる微量元素を毎日大量に消費するため、専用の添加剤や高価なリアクターが必須となります。

SPSは、十分な知識と設備投資が可能な上級者向けのサンゴと心得ましょう。

🎖️ まずはここから!初心者におすすめの「簡単なサンゴ」5選

サンゴ飼育の第一歩は、丈夫で環境の変化に強い「ソフトコーラル」から始めるのが鉄則です。ここでは、特に丈夫で飼育しやすい種類を紹介します。

① スターポリプ

「スタポ」の愛称で呼ばれる、最も入門に適したソフトコーラル。緑色のポリプが芝生のように広がる姿が美しいです。非常に丈夫で、光が弱くても(魚用の照明でも)育つことが多く、水流にもうるさくありません。

② ディスクコーラル(マッシュルームコーラル)

円盤状の形をし、岩などに付着するサンゴ。赤、青、緑、ストライプ柄など、色彩(カラーバリエーション)が非常に豊富なのが魅力です。光や水流も弱めを好み、水質悪化にも強いため初心者向けです。

③ ウミキノコ

その名の通り、キノコのような形をしたサンゴ。水流を受けると傘(ポリプ)をゆらゆらと揺らす姿が優雅です。白や黄緑色のものが多く、水槽内での存在感も抜群。丈夫さもトップクラスです。

④ ナガレハナサンゴ(LPS)

「少しステップアップしたい」という方におすすめの、LPS(ハードコーラル)の入門種。イソギンチャクのように先端が膨らんだポリプが特徴で、ゆらゆらと揺れる姿は非常に美しいです。LPSの中では比較的丈夫ですが、水質の急変には注意が必要です。

⑤ オオバナサンゴ(LPS)

ナガレハナサンゴよりさらに丈夫なLPSの入門種。ぷっくりと膨らんだ肉厚なポリプが特徴で、赤や緑のマーブル模様など非常にカラフルです。水流は弱め、照明も中程度で良いため、LPSの最初の一個として最適です。

🛠️ サンゴ飼育に必要な「3種の神器」

サンゴ飼育(特にLPS以上)を目指す場合、魚だけの飼育には不要だった機材が必要になります。

① サンゴ用LED照明

前述の通り、サンゴは光合成で生きています。魚観賞用のライトでは光の「波長」と「光量(PAR)」が全く足りません。「海水用」「サンゴ用」と記載された専用のLED照明が必須です。

② 水流ポンプ(ウェーブメーカー)

サンゴは自分では動けないため、水流によって「酸素」「栄養」を受け取り、「老廃物」を流してもらいます。水槽内に複雑な水の流れを作るための、専用の水流ポンプが必須です。

③ プロテインスキマー

SPSやLPSの飼育に必須とされる「ろ過装置」です。魚のフンや餌の食べ残しが、有害な「硝酸塩」に変わる前に、「タンパク質(汚れの元)」の段階で泡の力で取り除きます。これにより、水質を非常に清浄に保つことができます。

❓ 初心者のためのサンゴQ&A

Q1: サンゴは餌(エサ)が必要ですか?

A1: 基本的に、光合成(照明)がメインの栄養源なので、ソフトコーラルは餌やり不要です。LPSは、週に1〜2回、サンゴ用の液体フードや冷凍プランクトンを与えると成長が促進されます(与えすぎは水質悪化の原因になるので注意)。

Q2: サンゴ同士をくっつけて置いてもいいですか?

A2: 絶対にダメです。特にLPSは、夜になると「スイーパーテンタクル」と呼ばれる長い触手を伸ばし、隣にある他のサンゴを攻撃して溶かしてしまいます(これを「サンゴの毒」と呼びます)。サンゴ同士は、最低でもこぶし一個分は離して配置してください。

Q3: 魚(カクレクマノミなど)と一緒に飼えますか?

A3: もちろん可能です。ただし、一部のヤッコやハギ、フグの仲間は、サンゴのポリプを食べてしまう(かじってしまう)種類がいるため、注意が必要です。カクレクマノミやスズメダイ、小型のハゼなどは、サンゴに害を与えないため「リーフセーフ(サンゴに安全)」と呼ばれ、混泳に最適です。

まとめ:まずは丈夫なソフトコーラルから挑戦しよう!

美しいサンゴ水槽は、アクアリストの最終的な憧れの一つです。しかし、その美しさを維持するには、サンゴの特性に合わせた設備と知識が不可欠です。

サンゴ飼育 成功の鍵

  • ソフトコーラル: 骨がなく柔らかい。飼育は易しく、照明・水流も弱めでOK。
  • LPS: 骨がありポリプが大きい。飼育は普通。中程度の照明と水流が必要。
  • SPS: 骨がありポリプが小さい。飼育は非常に難しく、最強の設備と清浄な水質が必須。

初心者は、まず「スターポリプ」や「ディスクコーラル」といった丈夫なソフトコーラルから始め、水槽環境の維持に慣れてから、LPSへとステップアップしていきましょう!

ぜひこのガイドを参考に、あなたの水槽を美しいサンゴ礁に変身させてください。